Re:alism
そして次の日────


「おはよ」


「?…あっ!おは…よぅございま…」


下駄箱で先輩と遭遇し、声を掛けられた。



勿論私はロボットみたいに、自分でも何を言ってるのかも分からない。


「昨日ごめんな。急に睡魔が…」


「ぃぃいえ!!よくあ…なっないですけど…えと…」


「…プッどした?何か変だけど…」


「なっ…んでもないです…」



まさか朝一に先輩と話せるなんて…今日は良い日な予感─────


「ソッチ!」



突然大きな声で曽野先輩を呼んだのは、私も校内で数回すれ違ったことのある女の先輩。


…曽野先輩、タメの人からも“ソッチ”て呼ばれてたんだ───…


「あっはよー早南」


「一緒に行こー教室。」


「あー今部活の後輩と話してたの。だから…」


曽野先輩は私の方を見た。



と同時に、隣の“はやなみ”先輩も私を…


…今、睨まれた…?!


化粧のせいか、ヤケに強い目力で思いっきり凝視している。



…恐い…!!


「あ…あの、私…これで…」


「ソッチいいってさ~行こ♪」


「…じゃまた部活で」



スタスタ…


───行っちゃった…



私は、ただ先輩の後ろ姿を立ち尽くし見届けているだけだった。



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