Re:alism
「いってきまーす!」


私は勢いよく玄関のドアを開け、家を出た



この時は既に目的を忘れ、“女の子”になっていた


「今日どこ行くのかなぁ…お昼はやっぱりパスタとか───そういえばオリーブのパスタ美味しかったなぁ…♪」



先日の合コンを思い出した



…あの日…


結局、栃村にどうやって送ってもらったのかすら思い出せなかった


「…タクシー?だったらタクシー代払わなきゃ────」



何にしても、何で奴が私にそこまでしてくれたのかが分からない



私がひどく酔ったのは自分のせいだから?


だとしてもあの男なら知らん顔するはず…



…何を企んでいたんだろう────



─────グキッ


「痛っ」



色々考えていると、足を捻ってしまった


「いっ…やっぱパンプスとか止めた方がよかったかな…」



しゃがみ込み足首を擦る



…結構ー痛い。


「…歩けるかなぁ…」


小さくため息を着いたとき、誰かが私の前に立ちはだかった


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