Re:alism
「てか別にいいって歩けるから!」


スカートを払いながら立ち上がった


「チッ。嘘かよ」



「それより、あの時…って何かあった…?」


「は?何かって…何も。」



良かったぁ────…


「なら別にい…」


「あぁ、あったゎ。」

「…へ?」



矛盾した発言に拍子抜けした私に、不敵な笑みを浮かべ1歩ずつ近付いてくる



「だって今何もないって…」


「思い出した。酔ったお前を運んでー公園で一休みしてー…」


「そりゃどうも。(低音)」



「でも酷ぇな───忘れたんだ?あの暑い夜のこと。」



…?


「確かあの日は今週中で1番寒かったって…」


「違ぇよっ!!…ったくどこまでもお幸せなチビスケめ」


「はぁー?!チビスケって何よ!てか誰かさんのせいで酔ってて記憶にないんだから仕方ないでしょ…っ」



「…それなら今思い出させてやるよ」


「えっ────」



────突然の出来事だった



目線が同じになり、その次には


唇が

────ゼロ距離…。


< 60 / 109 >

この作品をシェア

pagetop