Re:alism
料理には少し自信があったりする私


でも調理実習以外で他人に食べてもらう機会なんてないから、逆に隠してきた秘密の特技



それにもし否定されたりしたら嫌だしね…



「…どうですか?」


今回はいつにも増して上出来だと思うんだけど───



「…旨いっマジで!凄ぇなっまさかこんな料理出来るとは思わなかった」



フォークを置き、握手を求めてきた


「それどーゆー意味ですか!」


無意識に手を出し握手をする私



「だって何か全てにおいて不器用そうだしっ(笑)」


「失礼な!料理(だけ)は専門範囲内です!!」


「…結婚したら毎日こんなの食べられるんだよなー…」



「えっ…?!」


急な祝詞さんの発言に驚き、手を離そうとした


が、しっかり掴まれていて離れない



「な何言ぃってんですかっ…」


「ごめん。」



握られていた手が緩み、互いが別れた



「俺何かと“重い”って言われるンだよねー…今のもそうだったかも。ごめんな?」


少し悲しげな表情…


「全然重くなんかないですっ…むしろ嬉し…くて。ただ急すぎて何がなんだか…心の準備が…」



私は噛み噛みで言う



「…なら良かった。美には受け入れてもらえるような気がしたんだっ。…でも実はこの性格のせいで前の彼女にもフラれてさ───」

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