Re:alism
「…そうだったね…;;;」


「えっもしかして忘れてた…?」



だって今日は祝詞さんと会えるーって浮かれてたから


それも今までで一番の気持ちが通い合った日…



思い出しただけでも嬉しくなる



「…で、明日はお兄ちゃん帰って来るって」


「…え?」




『───てか美って兄ちゃんいたんだ?初耳!』


「いたんですよーでも今一人暮らししてるからあまり会わないし…」


『へー…今度俺のこと紹介してな。』


「…その内ね…///」



さっきの余韻が残っている内に、再び祝詞さんの声を聴く


電話越しなのが惜しいが少しでも身近に感じるのが嬉しい



「…でも実は仲そんなに良くないんですよ」


『そうなん?俺一人っ子だから兄妹とか分かんないんだけど──』


「そんな感じするっ!…以前は仲良かったんだけど、お兄ちゃんが高校卒業する前くらいから急に態度が冷たくなって…


理由も判らないまま就職で遠く行っちゃったの──嫌われるようなことした覚えないんだけどなぁって…」



『まーたマイナスになってるし!まぁ明日聞いてみれば♪何なら俺も一緒に…』


「そこは自分で頑張る!たった今祝詞さんに勇気貰ったから…」



私は携帯を持っていない方の手を強く握った


『…ねぇ、そろそろ“祝詞”って呼ばない?』


「えっ?」


『前から言ってンけどさ…今日は特に二人の愛を確かめ合った記念日なんだし♪』


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