Re:alism
「奈子?教えたって…」


万里は首をかしげた



「前ね、ソッチと話してたら何か美ちゃんの話題になってね」


私の…?



「実は面白い奴だとか前階段でコケてたとか言っててね」


「!!あれ見られてたんだ…ハズぃ───…///」



「それで誕生日とか聞かれてね」


「てか美ネタ多っ」



「…そんなネタにされるなんて、私曽野先輩からも嫌われるのかなぁ…」


「何でそーなる!!」


「違うと思うよーむしろ好かれてるんじゃないかなぁ?」



…え?


「だって美ちゃんの話してるときのソッチ何だか楽しそうだったよ」



「…本当…?」


「私エイプリルフールでも嘘は言わない性格だよ♪」



笑顔で言う奈子ちゃん


「だって騙される側だもんねー」


「万里酷いっ!」



…曽野先輩がそんな風に私の話をしてたなんて────



嬉しい…


でもそれは、一後輩としてで恋愛感情ではなかった



その結果が今のお互いの、この状況なんだ



───そして1時間後家に帰った



「ただいま…」


玄関に入ってすぐ久々に見る靴が目に入った



「おかえりー」


奥の部屋からお母さんの声がした


そしてゆっくりな足音が段々と近付き、お兄ちゃんが姿を現した



「…おかえり」


「───ただいま…」


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