Re:alism
「…何年か前、急に態度変わって…冷たくなって…」


「…あ?」


「私…何かした?何でっ…何でいつも私ばっか…きっ嫌われなきゃいけな…っ」



ネガティブな自分の今までのことを思い出し、涙が溢れた



栃村から始まったイジメ…そして人の目が気になって仕方ない生活


その中で一番の身内からも嫌われるというのは、本当に辛いことだった



「うっ…何で…私ばっか…っ」


「何泣いてんだよ…ちょっ泣き止めって」



「やだっ…理由を言っ…わないとやっ…」



お兄ちゃんは怒ると言うより、困った顔をしていた


「…じゃあ言ってやるよ」



しばらくしてからそう言うと突然、泣き喚く私を抱きしめた



「…っ?!」


「…てか嫌いなんじゃなくて、好き…ってこと───勿論兄妹としてじゃなくて…こういう意味で」


「え…と」


「…多分態度が変わったのは美を見てると感情が抑えられなくなるから。だから距離をとって…一人暮らしして頭冷やそうと思ったんだ」



スラスラとお兄ちゃんの口から出る言葉に耳を疑った



だってそれじゃあ───…


「…でも無理だった。だから今ここでこうしてるってわけ。」


「…でも私達兄妹だよ…」


「…知ってる」



嫌われてたんじゃないと分かって良かった


でも新たな問題が生じた。



それは───



「知ってるけど…もう無理」


「え?お兄ちゃ───っ?!」



キスをされたってこと

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