Re:alism
栃村といいお兄ちゃんといい…


嫌われてはいなくて本当に良かった



でも自分勝手な考えで突っ走って



結局傷付くのは私1人



…それとも


男は皆そうなのかなぁ…?



───色々考えている内に、祝詞さんのアパートの前に来た



以前から出入りしているあの部屋には光が溢れている


「…起きてる…よかった」



階段を掛け上がり走った


一番奥の部屋のチャイムを鳴らす



「…誰だよこんな時間にー」


ドアの向こうからは不機嫌そうな祝詞さんの声がした



「…はーい」


そして開いた瞬間私は祝詞さんの胸へと飛び込んだ


「うぉっ…て美?!どしたこんな時間に…」


「祝詞さ…っ」


「…てかちょっ…急にそんなされたら…」



飛び飛びな声に顔を上げると祝詞さんの顔が真っ赤だった



「…っすいません急に…嫌でしたよね;;;」


私はすぐに離れた



「や…嫌とかじゃなくて、俺だって心の準備ってもンが…てかそこマイナス思考になるとこじゃないだろ」



そう言って笑顔で私の頭を撫でた

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