Re:alism
「…てことは照れたんだ…?」


「…。~~~てかどうしたンだよ?今日は家族団らんの日だろ?大切にしろよ」



「…───祝詞さん…家のお兄ちゃん知ってる…?」


「?何…まず兄ちゃんの名前は?」



「…日に光って書いて晄(アキ)。…咲田晄」


「っあ…き…?───マジかよ…」



祝詞さんは自分の頭をワシャワシャと掻いた



…祝詞さんとお兄ちゃんの間に何があったかは知らないけど


「…さっき、そのお兄ちゃんに…無理矢理された…」


「され…何を?」


「…栃村と同じこと…」



これが今さっき起こった事実。



祝詞さんは…何て言うのかな?



栃村の時みたいに守ってくれる?


それとも…



「…」



私のこと、本気で軽蔑する…?



「…あいつ俺のこと何か言ってたの?」


「…え…何か…何であいつなの?とか…」



祝詞さんは居間で付いていたテレビの電源を切った



そして開いた口から出た言葉は単純なもので


「…そんなの好きだからに決まってンじゃんね。」



それでも心の中に響く様だった


「…うん」


私は頷いた



「俺も好き。美のこと大好き」


「…うん…知ってる」



その晩はお母さんに誤魔化しまじりのメールをして、祝詞さんの家に泊まった



いつもならすぐにでも手を出そうとする祝詞さんは別の部屋で一夜を過ごし、そんな気遣いが嬉しかったし彼の優しさだと思った

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