Re:alism
「…っあ────!!」



朝は扉の向こうから聴こえてきた祝詞さんの絶叫で起きた



「どうしたんですかっゴキ発生ですかっ?!」


片方のスリッパを手に私は勢いよく扉を開けた



すると呆然と立ち尽くしていた



「…昨日…そういえば美の誕生日…」



90゜方向転換しこちらを向いた



「そうだけど…て、ここ来たときすぐ言ってたじゃん!」


「俺は3分前の出来事は忘れる質なの!」


「え…。───まぁ良いですよ過ぎたことだし」



私は振り上げていたスリッパを下ろした



「あれ?珍しく前向きじゃん」


「まぁ…私も昨日のことは早く忘れたいんで…」



昨日のこと



お兄ちゃんに犯されたこと。



「…でも家帰るとあ…いつがいンだろ?」



普通に名前を口にするのも控えるなんて、どれだけ対立してるんだろう?


てか本当に何があったんだろ?



「てか地元離れてたよな?ヤツはいつ戻る?」



むしろ敵対心も見える…。



「確か明日…て言ってた」


「チッ…もう誕生日終わったンだからさっさと帰れっての」


「まぁ…一応血の繋がった家族なんで…」



とか言いつつ、本心は散々言われている兄に同情出来なかった



「…今日って休みだよな?」



急に話が変わった!


「今日…は土曜日だから休みです。危うく学校行くとこでした」



私が笑っていると、突然腕を掴まれた



「よしっ今日は一日デートすっぞ!」



ぇえ─────ッ!!


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