約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く
「……無理だよ……。
瑠花と舞を置いて親友の居ない、
親友が存在した形跡もない
あの世界で生きていくなんて
私には出来ないよ……。
だから私、覚悟決めたんだよ。
この世界で、生き抜いて三人で帰るって。
だから舞、私に力を貸してよ。
私と瑠花と舞。
三人であの世界に絶対に帰るんだから」
そう力強く言い切った、
花桜はちょっと心が強くなった。
そんな気がした。
それに比べて……私はどうなんだろう?
覚悟を決めたはずなのに、
まだまだ私の覚悟は弱すぎて。
「はいはい~っ。
舞、私も居るからねー」
そう言って中から駆け出してきて、
私をゆっくりと立ち上がらせる瑠花。
束の間、この場所に
私たち三人がはしゃぐ声が響いた。
「良かった良かった。
山波君、岩倉君、加賀君。
今後も頼んだよ」
そう告げられた近藤さんの言葉に
元気に返事した、花桜。
瑠花も覚悟を決めたように、
沖田さんと視線を合わせてゆっくりと頷いた。
私は……まだそこまで慣れない……。
「ねぇ、花桜。
久しぶりに、舞と試合してよ。
全国大会ぶりでしょ。
二人で、総司をやっちゃうとかどう?」
軽いノリで告げた瑠花の一言。
瑠花の隣には、嬉しそうな笑みを浮かべながら、
すでに目が笑ってない沖田さん。