約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く



「あっ、何々。
 やっぱり花桜も舞も早すぎだよ。

 せっかく、早起きで来たと思ったのに。

 おはようございます。
 井上さん」




そう言いながら、姿を見せたのは瑠花。
そしてやっぱり……その後ろには瑠花のボディガード。


沖田総司。



やっぱり私には何を考えてるかわからない、
とっつきにくい人なんだけど瑠花にとっては多分、
この世界を一緒に歩いて行ける人なんだよね。




「あっ、私手伝います。

 花桜、見ててよ。
 私も大分、ここの台所にも慣れたんだから。

 ピーラーがなくても皮も向けるようになったし」



そう言って、井上さんの持つじゃがいもを
するりと奪い取っては、剥きはじめる。


お世辞にも、上手いって言えるものじゃなくて
見てる方が心臓に悪いんだけど、
現代に居た時は、爪が割れるから料理はしたくない。


っとか言ってた瑠花にしてみたら随分な進歩。




その隣、同じようにじゃがいもの皮をむいてる
沖田さん。







料理出来るんじゃん。





ただ一度、偶然つけた時代劇の中、沖田さんは
料理が下手くそな設定だったのか鍋が焦げて、
火事寸前になってた。



あのインパクトが強烈だったんだけどな。




朝餉が出来て、順番に並べ終った時、
朝稽古を終えた、隊士たちがずらずらと、
テーブルの前につく。




だけど……そこに……山南さんの姿はない。




私の不安は的中してる。


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