約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く
「久坂玄瑞の死を見届ける舞を私は見届けたい。
後は舞がその命を終わらせようと望んでいるなら
それを阻止したい」
そう告げた私の背中をトントンと軽く、
総司はあやすように叩くと耳元で頼もしい言葉を聞かせてくれた。
「いいよ……瑠花のことは僕が守って見せるから、
傍にいたらいいですよ」
ひそひそ話のように、そうやって告げると総司は、
「近藤さんと土方さんの許可を貰ってきます」っと
告げて私の前から立ち去った。
近藤さんと土方さんの許可。
その言葉に不安を感じないわけじゃなかったけど
今の総司はちゃんと私の想いもくんでくれると思えたから。
何時もは屯所の中で待ち続けるだけだった私。
だけど今回は、私は自分の為に動きたい。
そう思えたから……。
甘いかも知れないけど私が思う覚悟。
それは何があっても見届けて生き抜くこと。
そして……私の中で、
その人の死を命の重さを無駄にしないこと。
鴨ちゃんが教えてくれたことを守り続けること。
舞の想いの行方はわからない。
だけど……私は私が思う道を歩いて行きたい。
一人では難しくて、総司に力を借りることも多いかもしれないけど
それでも誰かの力を借りたっていいと思う。
全てを一人で抱え込まずに、
助け合いながら、前に進む未来があってもいいと思うから。
そして何時か……総司を連れて、
鴨ちゃんの憧れた月の世界に帰るの。
彼の病気を未来で治すために。