約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く
「あの……。
ここ、
何処ですか?」
突然、そう尋ねた私にびっくりしたのか、
その人は、私の額に手を触れる。
「熱、出てへんな」
「ほぇっ?」
戸惑いのあまり、
間抜けな声を出してしまう。
「頭、打ったりしてないか?」
続いて、両手で私の頭を
ガシっと掴むと髪をかき分けながら
何かをしてた。
「あのっ。
別に頭なんて打ってません」
「打ってない言うてもお前、
今、何処かわからんのやろ?
記憶……なくなったんか?」
目の前で、ふざけた態度をとりながらも
冷静に私のことを分析している観察力。
誰……この人?
ゆっくりと深呼吸をして
まずは自己紹介からだよね。
この場合。
一応、この人……私のことを
助けてくれたみたいだから。
「記憶喪失じゃないです。
初めまして。
私、山波花桜
(やまなみ かお)です。
友達と逸れてしまって……。
私の他に二人いませんでしたか?」
二人と会わなきゃ。
「いやっ。
降ってきたの、
花桜だけだし。
オレは、山崎」
名前を名乗った、
山崎さんに初めて頭を下げた。