約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く


 





「花桜っ、花桜っ起きて」





誰?



誰かが体をゆっさゆっさ……してる。





そして……次の瞬間、
身の危険を感じて慌てて飛び起きると
危険物を素早く受け止めた。






「あっ、瑠花……」


「ったく、花桜。
 
 あっ、瑠花じゃないわよ。
 
 アンタ、良く今の状況下で
 寝られるよね」




寝られる?


何?



ここ、何処?




慌てて、キョロキョロと見渡すと、
破れかけた障子に時折、隙間風の入る一室に
へったんこの布団を敷かれて
眠らされてたらしいことに気が付いた。





「君たち何話してるの?
 怪しい動きしたらすぐに殺すよ」




まだ幼さの残る冷たい声が
部屋の外から響いてくる。




そして……次に姿を見せたのは、
山崎さん。




屋根から、またまた足音を立てずに
部屋の中に入り込むと言葉を発しようとする
私と瑠花の口を一斉に塞いだ。







『まてや』

待てや。


『さっきは わるかった』


さっきは悪かった?





声を発せずに、口を動かして
言葉を伝える山崎さん。




『ここは 
 おれのしごとば』



ここはオレの仕事場。




『えらいひとには
 かおのこと
 はなしてきた』



えっ?

偉い人に、
私のことを話してきた?
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