隣の浬世也くん〜その時彼は何を思ったか〜



菜々子は俺のその言葉に文字通り鳩が豆鉄砲くらったみたな顔になってたけど


驚いたのは菜々子だけじゃない



「好きっていうのは…」


俺自身、自分が何を言い出しているのか訳がわからなかった



「好きって言うのは
相手のことを思うだけで楽しくて嬉しくて
それで時々胸の奥が苦しくなったり…」



ただ止まらなくて



「ただ一緒にいるだけで、話すだけで元気が貰えたり…」



次々に俺の口から思いもしない言葉が飛び出していく



「無条件で相手の喜ぶ顔が見たかったり…」



溢れ出した言葉は



「悲しい顔をしていたら何とか笑って欲しくて必死になったり…」



確かに自分が今感じているモノで間違いなかった





「そしてずっとずっと一緒にいたいって思うんだ…」



それは誰でもない俺が
菜々子に対して抱いている感情だった


そのことにその時初めて気が付いた俺も
相当お子様だったんだろう





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