隣の浬世也くん〜その時彼は何を思ったか〜
俺は菜々子の家までの道のりをノロノロと歩いていた
せっかく菜々子と少し距離を置こうと思っていたのに
俺の決心は2週間で脆くも崩れ去る
情けねぇ~
情けねぇ~
情けねぇ~
そう思っていても、足は止まる様子など微塵も無い
菜々子に向けてドンドン歩みを進めていく
「あ~!浬世也!あんた、何してたの!?」
菜々子の家につくと、久しぶりに聞いた菜々子の怒鳴り声と
菜々子の怒った顔
頭は相変わらずチョンマゲで
俺は不覚にもそんな菜々子にときめいてしまったんだ
「何笑ってんの?」
「別に?」
「変なの」
そうだよ、俺変なんだ
ああ、もう俺ダメなんだ
俺の気持ちのダムが満たされていく
それどころか今にも決壊寸前だ