秒殺☆KILLER
「ら、蘭ちゃんキミちゃん・・・ちょっと聞いても良いですか・・・?」

「ん?」

「なになに?」

昨日、桜君に初めて会った。
会って、あの独特な魅力に惹かれた・・・のかもしれない。



でも、



「つ、栗花落・・・桜って人、知ってます・・・?」





私、そういえば名前以外なにも桜君のこと知らないっ!!





なんでいつもこう色んな事をスキップしちゃうんだろう私・・・

「あぁ、つー先輩?」

「知ってる知ってる、有名だよねー桜さん」



『つー先輩』?
『桜さん』?



「え、先輩なんですかっ!?」

「うん、一年だけね」

「桜さんがどうかしたのー?」

て、てっきり同い年かと思ってた・・・
さ、桜君って呼んでませんでした私!?

「あ、あの有名って・・・?」

「生徒会長だっけ?なんか、確か偉い人だったよ」

「うん、ちょっと抜けてるけどモテるんだよねっ」



抜けてて、モテる・・・



「面白くて、優しくて、頼りになる人」

「あ、怒ると相当怖いらしいよねっ?」



面白くて、優しくて、頼りになる。
でも怒ると、怖い人。



言わば、理想の人ってとこですか?

「でもなんで急につー先輩?」





ギクッ





「ち、ちょっと・・・」

い、言えない。
たとえ蘭ちゃんとキミちゃんだろうが到底言えないっ!!

「あ、でもそういえば今日、桜さんに燕ちゃんを生徒会室に呼んできてって・・・」

「ヤバっ!!い、言ってた!燕ちゃん、早く行った方がいいかも!!」

「え!?え!?」


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