秒殺☆KILLER



 〜植島〜 



俺はメニューで顔を隠しながら飛我を盗み見した。

「・・・」

よし、まずまずはバレてないみたいだ。
これなら絶対、俺が『桜』だなんて気づかれないな。





俺は今、『植島一』として飛我が出ている合コンにいる。





「(なに食べようかな・・・)」

しっかし、さすが俺!
植島から借りた帽子をこんなに上手く着こなしちゃうなんて!

天才だね!!

あ、そうそう。
実は本物の植島は俺が昔通ってた学校の同級生。
アイツには、今日の合コンは女子達の都合で流れたって言っておいた。

完璧。

凄いね、自分で自分を褒めたたえたいよ。

「・・・」



それにしても・・・



「燕ちゃん燕ちゃん!」

「あ、はい?」

「そろそろなにか頼もうかと思うんだけど、燕ちゃん何食べたい?」

「じゃー・・・オムライスでっ」

飛我がちょっと笑顔で話してる。
しかも初対面の男と!

ちょームカつく!

しかもなに!?
この真治って奴、あからさまに下心丸出しっ!?
あんなん『俺、燕ちゃんお持ち帰りしちゃおっかな〜』って言ってるようなもんだろうっ!!



許せんっ!!(でも非力)



「植島さんは何頼みますっ?」

「っえ」

ヤバ、今、素の声出しちゃったかも。
まさかこのタイミングで話しかけてくるなんて。

俺は気を取り直して、植島になりきった。

「・・・燕さんは」

「あ、私はオムライスにしました!」

・・・可愛いなぁ。
じゃ、じゃなくてッ!



「・・・かつカレー」



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