秒殺☆KILLER
「おい後ろのー、静かにしなさい」

「「は、はいっ」」

お、怒られちゃった。
しかも蘭ちゃんと同じタイミングで同じ事言った。

ちょっと嬉しかった。

「(怒られちゃったね)」

蘭ちゃんは小声で私に言った。

わっ。
蘭ちゃん、片方の目をパチっとした!

「(い、今のどうやってやるのっ?)」

「(え?)」

私は頑張って真似をしてみた。
けど。

「(・・・?)」



なかなか難しい・・・



「(もしかして、ウインクの事?)」

「(え、ういんくって言うの?)」

「(うん、片目だけをつぶるんでしょ?)」

う、うん。
私はそのウインクというのにドキドキしながらも、先生をチラチラ見ていた。

「(ど、どうやってやるの?)」

「(私もあんまり上手くないけど、軽く片目をパチって)」

「(軽く、パチっと?)」

「(うん)」

私はちょっと試してみた。



・・・パチ

パチ

パチパチッ



「(うん、あっ、それ両目だよ燕ちゃん)」

え、うそ。
片目のつもりだったんだけどなぁ。

「(結構、難しいね・・・)」

「(さっきからずっと両目だよ?)」

「(え)」

パチ
パチ



も〜・・・



パチパチパチパチパチ

「(っぷ)」

今度は笑われちゃった。

あ、というか。

「(分かった、最初っから目つぶっておいてから・・・)」



片目を上げる!



「ぷはははっ!!」

「え?え?」

「それじゃあウインクの意味ないじゃんっ!あははっ!!」

えー!?
だって片目開いてんじゃん!!


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