秒殺☆KILLER
「こらっ!なんで笑ってるんだ後ろ!静かにしなさいっ!!」


 * * * 


「いやぁ〜面白かった、超うけた」

あれから蘭ちゃんは先生に『目の前の上田さんが教科書に落書きしてて、つい笑ってしまいました』って言い訳した。

きっと今頃、上田さんは先生の目の敵にされているだろう。



そして私は未だにウインクの練習中。



「桜君、どうぞ」

「弁当!?やった!」

桜君は待ってましたと言わんばかりに嬉しそうにしていた。

「俺、授業中はずっと飛我の弁当のおかずの事ばっか考えてたよーっ」

「そ、そんなにお腹空いてたんですか?」

「ていうか、楽しみにしてたっ」





きゅん





「(可愛いなぁ)」

なんでこんなに桜君って可愛いんだろう。

仕草とか、笑顔とか・・・顔とか。
あと、名前。

なんか、イチゴのお菓子みたい。

いろいろとズルい。

「うまーっ!!飛我、料理上手!」

「ありがとうございますっ///」

そんな大声で言われたら照れるよ。
でも、心の裏でまんざら嬉しがっている私がいる。

「(あ、ウインクの練習)」



パチ
パチ
パチ



「(まだ両目・・・)」

もうちょっと目に意識したらいいのかな?
もっかい。

せーの、



パチ
パチ
パチ



「飛我、さっきからなーにパチパチしてんの?」

「え、あ・・・う、ウインクですっ」

「ウインク?急だね・・・飛我、出来ないの?」

「練習がんばってますっ」

で、出来ないなんて言いたくない!


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