豹変上司に初恋中。
「最近、いつにも増して上の空だったみたいだな?」
……あ。怒ってる。
静かな言葉の中に、明確な怒気を感じる。
「あ、の……すいません」
「で?」
「へ?」
「今日の夜も空いてないか?」
え?
そう聞かれて、私は目を泳がせながら小さく頷く。
「はい、えっと……ちょっと」
「ふーん。何で?」
「えーと、その……」
その問いかけに、咄嗟に嘘が思いつかない。
しどろもどろに言い訳を探す私に、昴さんは深々と溜息をついた。
「下手くそ」
「う……」
返す言葉もない。