豹変上司に初恋中。
変化
―――
あれから何日経っただろう。
あの日を境に、私は仕事に没頭する日々が続いていた。
勿論彼は、私の例の発言には触れてこない。
驚くくらい、「普通」だ。
まぁ、別にちゃんと告白したってわけでもないんだけど……やっぱり少し気まずくて。
私は気まずさから編集長に仕事以外で話しかけることが出来ず、彼もまた、オフィス以外で私に声をかける事がない。
結局、私と彼の関係は、完璧に以前の「編集長と部下」の関係に戻っていった。
……随分、あっさりとしたものだ。
「あ。呉羽さん、この原稿に乗せる地図なんだけど―― ……」
「はい」
呼ばれて近付いて、ふと気が付く。
……顔色、良くない気がする。
「――どうかした?」
「あ、いえ。なんでも」
なんか、いつもの笑顔すら引きつっているような?
……気のせいか。
その時私はそのままスルーしてしまった。