豹変上司に初恋中。
それから、私は自分の企画と梓の企画、2つを仕切るようになった。
正直、かなり忙しいし、きついとも思う。
でも、仕事はとても充実している。
梓の仕事っぷりを間近で見ていると、自分がいかに消極的かもよくわかる。
たまに、制御が大変な時もあるんだけどね。
……でも、逆に学ぶべきところが多いのかも。
「あれ? 先輩! 帰らないんですか?」
「あ、うん! もうちょっとだけ。お疲れ~」
帰る準備を済ませた梓に挨拶をして、私はもう一度机に向かった。
明日は応募締切日で、明後日抽選、一週間後に取材対象者の人と会う。
うん、結構ハードかもな……
「頑張ろう」
ポツリ、呟いて伸びをした。
ふと編集長の席を見ると、誰もいない。
……あれ? そういえば、ずっと居ないような。
視線で姿を探して、キョロキョロしてしまう自分につい苦笑いが漏れる。
本当、未練がましいよね、私。