豹変上司に初恋中。
「30分くらいか。気にせず帰れよ?もう遅い。送れなくて悪いんだが……」
言いかけた編集長をソファに押しやり、自分もその隣に座りこんだ。
「私、その人が来るまで待ちます」
「は!?」
「目を閉じてるだけでも良いんです。立って待ってたりしちゃ駄目です。来たら、私、ちゃんと……えっと、こっそり帰りますから」
編集長は突然座らせられ、驚いた表情のまま。
「……」
「……」
少しの沈黙が流れて、暫くしてようやく、笑みを含んだような声が聞こえた。
「……本当、変な女」
いつか聞いたようなその言葉。
直後、自分の肩に重みを感じた。
「え、」