豹変上司に初恋中。
「……だから、とでも言うべきかしら。私はね、昴さんに近付く女が嫌いだった」
「……」
「皆、上辺だけで色々決め付けて近付くから」
「あ……」
「その度にあの人は、更に人に対する不信を深めて行った」
更に?
言い回しに疑問を持って、私は佳代さんを見る。
「ああ、喋りすぎかしらね……着いたわ。」
私が口を開いた瞬間、佳代さんは車のエンジンを切った。
え、もう?
どこに、と前を向いて私は衝撃を受ける。
超高級そうな綺麗なマンション。
「昴さんの家よ。荷物とか運ぶのを手伝って」
「は、はい」
結局、何も聞けないまま私は車を降りた。