豹変上司に初恋中。
接近?
暫くぼんやりと閉じたドアを見たあとハッと我に帰る。
「……か、看病しないと」
佳代さんは、『私が彼を想っていても傍にいて良い』って許してくれたんだ、と。
ポジティブにそんな風に考える。
取り敢えず、今あるのは……
袋の中に、よくテレビとかのCMでやってる風邪薬も入ってる。
あ……でも、まだご飯食べてないんだよね。
や、時間が時間だし、……うーん。
編集長が眠っているベッドに近付いて、軽く肩を叩く。
「あ、あの……何か食べれますか? 薬、飲まないと」
編集長はダルそうに寝返りをうって、のろのろと目を開けた。
「…くれは、ここ……なんで ?」
思考が回ってないのかも。言葉がちょっと片言で、……不謹慎だけど、可愛い。
「佳代さんの代わりに看病を頼まれました」
言うと、今度こそ彼ははっきりと目を開いた。
「佳代が? ……あの?」