豹変上司に初恋中。

――

「ん……」

あったかい。

なんか、フカフカしてる。


ゆっくり瞼を持ち上げると、真っ白な天井が見えた。

ふわふわの枕、そして微かに漂う良い香り。


「……え?」

「起きたか?」

いつの間にか、私はベッドの中、昴さんはソファでコーヒーを飲んでる。


……これは一体。

「ふ、お前地べたで寝てたぞ」

クスクス笑いながら、昴さんが近付いて来た。

「隣使えって言ったのに。ほら、ココアで良いな?」

「す、すいません。……ありがとうございます」

ココアを受け取りながら、もう治ったのかな、とベッドに座ったまま昴さんを見つめる。

すると、微笑んで私の頭を撫でてくれた。

「治った。ありがとな、助かった」

そんなに早く治るものだろうか、とも思ったけど……確かに昨日の体温と比べると熱くない、かな。

そこで、ようやく思考が他の事に回ってくる。

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