豹変上司に初恋中。

……寝起き、髪ボサボサ、酷い顔。


「……!!」

「?」

挙動不審になる私に反して、キョトンとする昴さんは、何も気にしてない様子。

「……何でもないです」


うう、馬鹿みたいだ私。

「そうか? ……さて、準備しろ。家まで送る」

「え?」

「着替えもないだろ?」

カチャ、と鍵を持って笑う。

確かに……と時計を見ると、まだ5時。

お風呂も入れそうだ。

「……はー、車樹に頼んどいて正解だった」

ふと、昴さんがぽつりと呟いた。

「樹、さん…?」

「そう、俺の兄だ。ほら、行くぞ」

話を無理矢理終わらせたかのように、昴さんは私を急かす。

「は、はい」


これ以上言わない方が良いのかな。

私はそのまま何も触れない事にした。

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