豹変上司に初恋中。
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今日は結構仕事の方が詰んでいて、お昼まであっという間のように感じた。
昴さんはお昼前まで取材でいなかったから話したりも出来なかったし(ホッとしたような、残念なような)、……なにより、心の準備をする暇もなかった。
「そういえば、最近ようやく村形さんと普通に会話出来るようになったんです。少しですけど、お料理も振舞ってくれました!」
私の話したい内容が内容なだけに食堂はちょっと、という事でカフェに向かいながら梓の話を聞く。
「村形さん……」
確か、とてもお固くて、今回梓が昴さんを気になりだしたきっかけでもある料理人。
「許してくれたんだ?」
「はい、あの後通ってるんですよ。ほら、爪もこの通り」
見せてくれた爪から、前はいつもしていた華美なネイルがなくなっている。
「凄いね、梓」
村形さんって中々許してくれない、って言ってたのに……もう料理まで。
本心から褒めると、「自分でまいた種なんですけどね」、と少し照れくさそうに微笑む。
村形さん、なんだか娘を見ているみたいな心境だったのかもしれないな。
そんな事を考えていると、カフェに到着して、窓際の席に案内してもらった。
「で、先輩、話しってなんですか?」
席に着くなり、梓は直球を投げ込んできた。
……本当に、文面を考える暇すら与えてくれない。