豹変上司に初恋中。
襲われた時助けてもらったことや、仕事の話。
だんだん惹かれていった事、諦めたかった時期があった事。
でも、やっぱり好きだという事。
話を聞き終えて、梓は少し驚いた顔を私に向けていた。
「……ごめんね、黙ってて。あの時、言い出せなくて」
申し訳なくて謝ると、梓は首を傾げる。
「何で謝るんです? 悪い事してないじゃないですか。私の方こそ、先輩が危ない目にあってたの知らないで……」
そうやって言ってくれた梓の表情は、本当に不思議そうな、心配そうな物だった。
「梓……」
「あ、そうだ。じゃあ私も一個、暴露します」
「?」
びっくりしている私に、にっこりと梓が微笑んで携帯を取り出した。
いくつか操作して私に画面を向ける。
そこには、梓と男の子が一人、それと女の子が一人写った写真。
女の子は明るい茶髪のゆるふわカールで、目がパッチリしている。梓みたいに明るい雰囲気だ。
男の子は黒髪眼鏡で、いかにも優しそう。
……ちょっとだけ、雰囲気が昴さんの編集長バージョンに似てるかも。
少し間をおいて、梓は写真の中の男の子を指さした。
「私ね、最近同窓会で、この男の子に告白されたんです」
「ええ!?」
凄い!
心からの声を上げると、梓が困ったようにゆるゆると首を振った。