豹変上司に初恋中。

「あの」

私が切り出すと、昴さんはこちらを向いた。

やっぱり、ちょっと元気ない……。

「昴さん、もしかしてまだ体調悪いですか?」

そもそも、一日であんなに高かった熱が治るハズないよね。

私は咄嗟に手を伸ばして、昴さんの額に触れた。

「あ、でも凄い下がって……」


「―――呉羽」

「はい……あ」

額に触れていた手を掴まれる。

呼ばれて返事をすると、その顔の近さに驚いた。

「す、すいません!」

「……いや」


昴さんはちょっと困ったように眉尻を下げて視線を落とす。

手は、まだ掴んだまま。


少しの間沈黙が流れて、昴さんが軽く息を吐くのが分かった。

たっぷり間を空けて、手を離して昴さんは口を開く。

「あー、その。……昼、口調きつくなって悪かった」

「え?」


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