豹変上司に初恋中。
「あっ、昴さん。今日の報告書、机の上に置いておきました」
「対象者の選出か」
「はい」
昴さんは運転の合間に、「どうなった?」と言いながらチラリとこちらを見遣る。
「はい、20代の女性です。内容は、自分の肌に合う化粧品が分からないからメイクも中々できない、という相談で……」
「成る程……女性らしい相談だな。先方に連絡は?」
「あちらの連絡の希望時刻が夕刻だったので、先程来週のアポを取りました」
「そうか」
そこまで報告すると、昴さんは満足そうに微笑んで頷いた。
「好調だな。安心した」
その後も仕事の話を少ししていると、いつもの料亭に到着する。