豹変上司に初恋中。
「お待ちしておりました」

恭しく礼をする佳代さん。

簡単に挨拶をして、私達を部屋に通してくれた。

席に着いてしばらくして、昴さんが曖昧に微笑んだ。


「代わり映え無くて悪いな」

「いえ! こんな素敵な所に連れてきて頂けるだけで……!」

慌てて手を思い切り振る私に、昴さんがクス、と笑う。

それから、ポンポンと私の頭を軽く撫でる。

その時の顔がとても優しくて。




「――……好き」

一瞬、耳に届いたその言葉が、自分の物だと思えなかった。

ほぼ無意識に、私は告白してしまっていた。
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