豹変上司に初恋中。
あ。そうだ。
私確か、ベッドに寝かせて部屋を出ようとした昴さんに「行かないで」と喚いた気がする。
……この眉間のしわも、私のせいだったらどうしよう。
「……ごめんなさい」
目を閉じたままの昴さんに、ぽつりと小さく謝った。
「何が?」
直後、寝ているはずの昴さんから掠れた声が返って来る。
寝起きのせいかいつもと違う声色に、心臓が小さくはねた。
「!」
昴さんはだるそうに目を開けて、視界に私の姿を捉える。
「あの、き、昨日の…」
目が合うだけで顔がカッと熱くなって、うまく言葉が出てこない。
昴さんの視線から逃れようと、私は小さくなって俯いた。