豹変上司に初恋中。
「じゃあ、笹本さん、て呼んで良いですか?」
「それだと、あんま意味ねえな……」
そっか……名前で呼んだら一緒か。
編集長は少し考えた後、肩を竦めた。
「ま、良いか」
え、良いんだ。やっぱり、大雑把な所があるみたい。
「それより早く食えよ」
「は、はい」
私は残ってる料理を食べながら、また美味しさでニヤニヤとしてしまう。
「……お前、分かりやすいな」
「仕方ないじゃないですか」
むくれると、また編集長は笑った。
女嫌い、だけど女の人と付き合ったりしてて、こうやって笑みを向けたりする。
いや、私は女として見られてないのかもしれないけど。