豹変上司に初恋中。
なんだか、不思議な人だな。
ちら、と編集長を見遣ると、もくもくと料理を食べてる。
第一印象、と言うか素の編集長を見た時は衝撃だったけど。
「……何」
「あ、なんでもないです」
「お前、そればっかだな」
呆れた顔をされてしまい、逃れるようにまた視線を料理に戻す。
「あの、ありがとうございました」
「は?」
「こんな良い思いさせてもらって」
「別に。礼なんだから気にすんなっつーのに」
……やっぱり、優しい、というか。
責任感がある所は変わらない、のかな。
なんとなく嬉しくなって、私は口元を緩めた。