豹変上司に初恋中。
「原稿完成したんだね」
「はい。ありがとうございました」
私が頭を下げると、編集長は口元でやんわりと微笑んだ。
私はまだ仕事が「出来る」とは言えないから、いつも迷惑をかけてる。
「お疲れ様。そういえば、君が言ってた企画、許可降りたから」
「え、もうですか!」
企画、というのは私が提出したプロデュース計画の事。
色んな種の変わりたい願望を読者から集めて、一人選出して一ヶ月プロデュースを試みる、というものだったんだけど……
「うん、連載にするのも悪くないって。女の人も参考に出来そうだし」
「あ、ありがとうございます!」
「うん、じゃあそっちの準備もお願いね。僕も手伝うから」
「はい!」
元気よく返事をした私にクス、と笑って編集長は席に戻っていった。