豹変上司に初恋中。
編集長を見上げると、不機嫌そうな顔で。


「えっと……い、良いんですか?」

「貰ってくれなきゃ困る」

甘いのは嫌いだし、と呟くように言う編集長。


「ありがとう、ございます」


お礼を言ってココアを持つと、缶ごしにじんわりと温かみが伝わって来た。


「お前さあ」

自分の缶コーヒーを買って、編集長はソファに座る。

「嘘とか下手だろ」

「えっ」


「ちらちら見すぎだ、馬鹿」


あ……やっぱりバレてるよね。

「すみません」

肩を落として謝ると、編集長が息を吐いた。

「良いから、今からはちゃんと仕事しろ」

「はい!」

力強く頷くと編集長は、お前返事はやたら良いな、と笑った。


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