豹変上司に初恋中。
―――
考えていたら、あっという間に時間が過ぎていて、もう帰る時間になっていた。
いつの間にか、周りにはほとんど人がいない。
「あっ、華織先輩!」
不意に、向かいのデスクから七瀬 梓(ななせ あずさ)が声をかけてくる。
「梓。どうしたの?」
「聞きましたよ、プロデュース計画!」
え。
もう?
さすが情報通……
驚く私を余所に、梓はニコニコ笑いながら身を乗り出す。
「スッゴく面白そうですよね! 私も応募したいっ」
「梓は必要ないでしょ?」
だって顔も可愛いし、人懐っこくて好かれてる。……トラブルメーカーではあるけど。