豹変上司に初恋中。
――
午後、1時から編集部を出ていた2人が帰ってきた。
「本当にご迷惑お掛けしてすみません……っ」
「今回は仕方ないから、次は気をつけて。特集を組ませてもらう相手のリサーチは基本。しかもこの企画は相手の職場に入れてもらうんだから、身嗜みは特に注意してね」
注意をしながら、編集長が次の仕事を梓に手渡している。
……どうなったんだろう?
あの様子だと許してもらえたのかな。
気になって編集長の方をチラチラ見ていると、ふと目が合った。
ヤバい、と思い会釈しようとすると。
「呉羽さん」
「!」
丁度名前を呼ばれて肩が跳ね上がる。