小芝居の効用 副作用 副産物
彼女の悪運は
当の私にも
伝染した。

私も身内の死という不幸を
目の当たりにする事になる。

母の死。

その心の痛み、、、
分かち合えるのは
彼女だけだった。

植物状態になっても
さらに 父が生き長らえる方策を
実行しようと摸索していた時
早く楽にしてあげたい私の愛の真意を
わかってくれたのも彼女だけだった。

その母の死の間際、
彼女と母を
会わせる企画を
私は立てた。

無論、その実現は
たぶん、
母の延命治療に
貢献することになったのだろうが。
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