桜龍




「楓、もう行こう」



あたしの状況を見て、桃香が救い船を出してくれた。



「……うん」



小さく頷いて、あたしは5人に背を向けた。



「…………」



最後まで……大輝は、何も、言ってくれないんだね。



でも、なぜか……大輝にひどいこと言われなくて、よかったと思ってる自分がいる。



もう……なんなのよ!!このモヤモヤは!!



そのまま、あたしは狼牙の倉庫を後にした。



きっと、もうここに来ることは、ないんだろうな……



そんなことを、思いながら……





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