桜龍
あたしの心境を察したのか、翔太が声をかけた。
「楓。少し、総長部屋で休むか??」
あたしは小さく頷いて、その言葉に、従うことにした。
――ガチャ
……やっぱり、いつ来てもこの部屋は落ち着く。
侑稀との思い出が詰まってて……侑稀が、すぐそばにいるような……そんな気持ちに、させてくれるから……
「ねぇ、侑稀??あたし、やっぱり総長は向いてなかったのかな??すぐみんなに頼っちゃうし……」
侑稀は、なんでもサクサク決めていって、でも、皆の意見もしっかりと取り入れて。
ホントに、理想の総長像だと思う。