桜龍
「でも……あたしね??いっつも思ってたの。侑稀が総長のときのほうが、みんながイキイキしてるって。侑稀の決断力や、人を引き付ける力は、あたしには真似できないよ」
『…………………………』
みんなが沈黙の中、
「……別に、侑稀にならなくても、いいんじゃないか??」
「え!?」
あたしに声をかけたのは翔太だった。
「楓の中では、侑稀と楓の違いが大きな壁になってるかもしれない。けど、俺たちは、人それぞれ違うってことは、分かってるし、侑稀には侑稀の。楓には楓の良さがあるってわかってるから。下っぱも、そこら辺はわかってるはずだ」