桜龍




――ガチャ




幹部部屋に着いたあたしたちは、朔夜に言われて大輝が座っているソファーの、前にあるソファーに座らされる。




狼牙からは、何も言ってこない。




まぁ、あたしは狼牙からしてみれば、裏切り者だもんね……




そんな奴に、話すことなんてないか。




あたしは心を決め、話しだした。




「狼牙……お前たちに、折り入って、話がある」




桜龍の総長として、いつもより声を低くして、総長としての威厳を出してみたつもり。




突然声をかけたからか、狼牙のみんなが、ピクッと反応したのがわかった。





< 275 / 351 >

この作品をシェア

pagetop