桜龍
――ガチャ
幹部部屋に着いたあたしたちは、朔夜に言われて大輝が座っているソファーの、前にあるソファーに座らされる。
狼牙からは、何も言ってこない。
まぁ、あたしは狼牙からしてみれば、裏切り者だもんね……
そんな奴に、話すことなんてないか。
あたしは心を決め、話しだした。
「狼牙……お前たちに、折り入って、話がある」
桜龍の総長として、いつもより声を低くして、総長としての威厳を出してみたつもり。
突然声をかけたからか、狼牙のみんなが、ピクッと反応したのがわかった。