桜龍




「……なんだ」




相変わらず、大輝は口数が少ないね。




「今回の炎尾の件、桜龍に、片を付けさせて欲しい」




あたしの言葉に、更にみんなの周りの空気が、険しいものになるのが分かった。




「……なぜ??
なぜ、桜龍が狼牙の手助けのようなことを??」



朔夜も少し、険しい顔をしながら言う。




どうしよう……言うべきか??



てか、言わないと、こいつ等は納得しないよな。



でも……あの惨事を、思い出したくない。




そう思って、迷っていたら、翔太が言いだそうとしているのがわかった。



――ダメ。
侑稀のことは、あたしが……あたしの口から、言いたい。



あたしのことを、仲間とも思ってないような奴等に言うのにね??





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