桜龍




侑稀に、ガシガシと頭をなでられる。



久しぶりのその感覚は、あたしが忘れることが出来なかった侑稀の手。



「侑稀………あたしたち、これからずっと一緒にいられるんだよね?」



あたしがそう言うと、侑稀は少し悲しそうな顔をして、



「楓、お前はみんなのところに帰れ」



あたしに、残酷な言葉を残した。





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