桜龍
目の前にいたのは、翔太に桃香に圭吾。
そして、狼牙のみんなの顔だった。
「みんな………ただいま」
そう言って、ニコッと笑えばーー
「「楓~!!!」」
桃香と宏樹の声が重なった。
ってか、珍しいな………
この二人が揃うなんて。
なんか、2人に抱きつかれているけど、一応あたしが心配かけたわけだし、何も言えない。
「よかった………もう、目を覚まさないんじゃないかって、ずっとずっと不安だったんだから」
桃香のその言葉に、どれだけみんなに心配かけたかがわかった。