桜龍
「それなら早く言ってくれればよかったのに……」
だったらあたしは、こんなに悩まなくて済んだのに……
「だって楓、恋なんか知らなさそうだったし……」
う…………確かに気付いたのはさっきだけど……
「とにかく……楓、俺と……付き合ってくれるか??」
いつになく真面目な侑稀の顔。
「…………はい」
この言葉で...あたしは侑稀と付き合うことになった。
その日、倉庫に戻ると、桃香や翔太、その他、幹部の圭吾[ケイゴ]に冷やかされた。
恥ずかしかったけど、あのとき、すごく嬉しかったのを覚えてる。